2x2...人と文鳥の小さな群れ

シルバ@blanccasseのための備忘録

飼育係のトラウマ・続き

文鳥の話ではなく。しかも楽しくない話なので、子どもの“トラウマ”に興味がある方限定で(苦笑)。

今回はシルバの“飼育係のトラウマ”。






私は。正直、小学校高学年になるまで、自閉症を疑われるような子どもだったので、どんな授業をやり、どんな係をしたのか、全く記憶に無い。

行けと命令され、行かないという選択肢があることさえ思い付かない状態だったので、機械的に学校へ行き、指定された席に着き、教師という権威者に言われた通り板書を書き写す。

けれど、自分に与えられた席から一歩も動けず。トイレにも行けず。教師とも生徒とも誰とも口を利けず。一切のコミュニケーションがこちらからは出来ず。答えるよう指名され促される度に泣き、トイレに立てないことで漏らしては泣いた。泣くことが唯一の反応という子どもだった。

苛められっ子にもなれないようなタイプだったのではないだろうか。覚えていないが。

だから、私には高学年になるまでの、小学校の記憶は無い。

シルバのトラウマ

小学五年生の頃に、飼育係をしたんだけど。
うちの学校は、教室じゃなくて、外の飼育小屋で。
鶏と兎と・・・あと、多分セキセイインコか何か居たと思うんだけど。
皆一緒の小屋で・・・よくあるじゃん?
もう、どんな世話をして、どんな餌をあげてたかとか、覚えてないんだけど。。。

鶏って、結構凶暴なんだよね。

飼育小屋とか言っても、結局放ったらかしだし。
皆、好き勝手に卵産んだり、赤ちゃん産んだりしてて。
それで・・・よく、鶏が兎の赤ちゃんを喰い殺してたんだ。

ある時、世話しに行ったら。
ふわふわの子兎たちと赤剥けのまま死んでる子たちが混在しているのを見て。
泣きながら家に帰って、帰っても泣き止めなくて、ずっとわーわー泣いてたの。
そうしたら、珍しく母親が早く帰って来てさ。

その頃。
母親は家に居るのが嫌だったんだと思うけど。
カウンセリングの勉強会だの何だの、しょっちゅう家を空けていて。
夕飯の支度をする頃までは帰って来ないのが普通だったから。
だからほんとに珍しく、偶然。

で、すごい剣幕で「どうして泣くんだ?」って聞くから。
兎が死んだって応えたら、学校へ連れて行かれたの。

その次に覚えているのは、担任と・・隣りのクラスの先生だったかなぁ。
男女二人の先生と、飼育小屋にいる場面。
何故そんなことになったのか、その時母親がどうしていたのか、何も覚えてない。

ただ覚えているのは。
そこでは涙は止まっていたこと。
手の中のふわふわの子兎の感触。体温。
そして。
子兎の背中を撫で続ける私を残して、立ち去り際に男性教師が放った言葉。

「どうせ、兎が触りたかっただけだろ。」

それを言った時の嫌悪感に満ちた顔。
女性教師が困った感じに頷きながら振り返った顔。

気持ち悪い、と思った。
やっぱり、と思った。

それだけ。

今でも基本的には知らない人は敵だと思っているけれど、この頃はもっと。
自分の周囲に存在するのは全員敵ばかりだと決めつけていたからね。

現在の私だったら、自分の無力感とか、命の不平等さとか、不条理感とか。
そういう理由で泣けるんだって説明するだろうけど。
当時は説明しようという気持ちも無かったし。
思い出すと怒りもあるけれど、それがあの時の感情なのか、後付けなのか分からない。

学校って、そんな場所だったから。

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