2x2...人と文鳥の小さな群れ

シルバ@blanccasseのための備忘録

花鳥園考察

実は。今回の花鳥園訪問は楽しかっただけで済まなかった。色々と考えてしまう事態もあったのである。

花鳥園は楽しい。物凄く癒される。鳥たちや花々だけでなく、係員さんたちもすごく良い人ばかり。

私が水鳥プールに指輪を落とし、「何とか次回の水抜き掃除の際にでも、あるかどうか見てみては貰えまいか。」とお願いした時にも、親身になって心配して下さり、快く対応を約束して下さった。行きの新幹線車中で、車内販売員の対応にムカつき、ずっと苛々していた私は、この方によってどれだけ救われたか分からない。

園内のお掃除を担当されている方の多くは、「近所の農家のおばあさんがパートしてるのかな?」という雰囲気の方々なのだが、みなさん目が合うとにっこり笑ってくれる。週末で入園者数も多く餌やりも多いので、当然掃除も頻繁に行わなければならず、忙しい最中だと思うのに、それを邪魔して「マーク君と触れ合いたいんですー!」とせがむ私にも、笑顔で手を止めケージ内に招き入れてくれるのだ。

ふれあいゾーンの通路のところでは、通路に迷い込んだフラミンゴを戻そうとプラスチック鎖製の暖簾を抱えて片側に寄せたまま、身長150cmに満たないような小柄なおばあさんが、一生懸命フラミンゴに声を掛けて無視されていた。決して声を荒げず無理に追いやろうせず、手荒に扱わないので、フラミンゴにはとんと軽んじられているのである。それでも。ちょっと困った顔で笑いながらも、決して焦らず、自分より大きなフラミンゴに懇願するおばあさん。ほのぼの、ってこういう光景に癒された時に使うのではなかろうか。

餌箱の近くに立って、粒餌で鳥寄せをしていた係員さんは、ちょっと怖がっている人にも丁寧に鳥の扱いを教えてやり、指を銜えて羨ましげに眺めている子どもがいれば、そっと腕に鳥を乗せてやっている。常に周囲に気を配い、みんなに楽しんで貰おうと思ってくれているのが、よく分かるのだ。

私が目にしたのは、そんな人ばっかり。本当に良い人たちだった。






・・・・・でもね。

土曜日で入園者が多く餌を沢山貰ったせいか、鳥たちの糞は、形の無い、溶けたメロンそのままの未消化便。尿酸なんて影も形も無い。換羽が始まっている子もいて沢山の栄養が必要な時期だろうに、幾ら果食性の鳥たちが多くても*1、こんなにメロンばかりで良いのか。粒餌に集っているのは、そういう意味ではないのか。植木鉢の土を齧っているのは、ミネラル分が足りないせいではないのか。

メロンが入っているのは小さなプラカップ。ところが、そのカップを取られてしまう人が多いらしく、銜えて逃げておもちゃにして・・・びりびりに破れたカップを噛み噛みしている子がいるのだ。互いに引っ張りっこして、更に小さな破片になったものをくちゃくちゃしている子もいる。手の届く範囲の子からは取り上げたけれど、万が一飲み込んでしまったら、そのうや食道、胃に傷がつくのは確実・・・。

入園者の多くは動物好きな人だろう。直接触れ合うのを楽しみに訪れるのだろう。私も鳥たちと触れ合うために行っている。それこそが花鳥園最大の魅力で、それが無かったら私とて行かない。行く理由がない。

係員さんだって多くは動物好きな人だろう。私に言われるまでもなく、鳥たちの状況には心を痛めているはず。

しかし。。。最初の問題に関しては、上手い解決策に皆目見当がつかない。

餌目当てで鳥寄せするのが一番簡単だというのは、厳然たる事実。しかも、メロンのような甘い果実は鳥たちには大人気商品である。鳥たちが寄って来なかったら、経営自体が成り立たないだろうし、その上、果実に匹敵する程嗜好性の高いおやつ用のペレットは値段も非常に高い。その分の値段を上乗せしたら餌を買う人が激減してしまうだろう。花鳥園の入園料は大人一名1,050円、子ども一名525円である。けれど、これが高いと文句を言う人もいるのだ*2。どちらかと云うと、個人的には安過ぎ(汗)。餌代収入が無ければやっていけない金額だと思うのだが(遠い目)。うーん・・・どうすれば良いのか(溜め息)。

しかし、次の餌用カップの問題に関しては、同じサイズの紙製でも格安商品が存在すると判明したので。散々逡巡した後、思い切って、紙製カップの使用を考慮願えないかと花鳥園にメールしてみた(滝汗)。紙製だからと云って、飲み込んでも良いとは思わないし安全とも言えないだろうが、プラカップよりはずーーーっとマシ*3。そう思うと、私のような経営も分からない一個人のメールに、どれだけの力があるかは謎だけれど、出さずに居られなかったのである。




花鳥園で睡蓮プールの上を群れなして飛び交う鳥たちを見ていると、本当に幸せになる。実際の鳥たちの幸福度合いなんて分からない。ただ私が、幸せな気持ちになるのだ。だから、これはエゴ。花鳥園の鳥たちに、少しでも長く、幸せに生きて欲しいと願うのも、私のエゴ。

エゴで良い。エゴだとしても、そう願う。

*1:水鳥やエミューなどの餌はペレットのみなので、メロンを貰えるコーナーにいる鳥たちは、果食性(果物や種実類が主食)の鳥が主流なのだと推測。ただ、インコ・オウムの種類や野生下での食性には詳しくないので、あくまでも推測である。

*2:某ネズミ国なんかより、よっぽど安いと思うんだけどねー。

*3:いや勿論。そもそも奪われないように人間側が注意するべき事項なのだ。そんなの指先程度の脳味噌があれば、分かりそうなものなのだが(謎)。