2x2...人と文鳥の小さな群れ

シルバ@blanccasseのための備忘録

桜の舞い散るが如く

朱華が逝ってしまった。

昨日も病院へ行ったばかりだった。朝、私が薬水を零してしまい、足りなくなった日数分の薬を貰うだけのつもりが、あまり薬水を飲まず、体重も落ち、更には糞まで減って来ていると伝えたところ、無理矢理急患で入れてくれたのだ。体重は20.5gにまで落ちていた。人間にしたら、10kgの減少。

それでも医師の想像よりは大分マシな状態だったようで、「あぁ、ちゃんと立ててるんですね!」と言われたそうだ。内出血の跡も薄くなりつつあったらしい。心配していた糞の状態も、黒色ではなく、顕微鏡検査にかけても出血は認められなかったらしい。ただ、少し未消化糞が出ていて、とにかく夜間点灯で少しでも食餌量を増やし、薬も栄養剤入りのものに変更して、なんとか乗り切ってもらおうと話し合われたばかりだった。

でも、逝ってしまった。

あの医師が即入院を勧めなかった位なのだから、たぶん、その時の状態は、それほどとは思われないものだったのだろう。しかも朱華。医師の前では、まるでアピールするかのように薬水を飲んで見せたらしい。「だいじょうぶだよ?ちゃんと飲めるよ?」って。

確かに昨日の朝は、まだまだ元気そうに見えていた。なのに、昨夜私が帰宅した時は、既に具合が悪そうだった。今朝、家を出る時も。餌を入れ替えた時も、あまり暴れず、急速に体力が落ちているのを感じていた。昼休みは、タクシーを飛ばして様子を見に帰ろうかと、本気で悩んだ。でも、帰らなかった。

その間に、子犬ちゃんが、仕事を薙ぎ倒し、無理矢理自宅作業という名目で帰ってくれていた。そして、夕方。子犬ちゃんとレティに見守られながら、朱華は逝ってしまったのだ。

子犬ちゃんが帰って来た時には、もう立っていることも出来ず、水を飲ませようとしても飲み込めない状態だったらしい。それでも少しでもと嘴に付けられた水も、時間を置いてからやっと、もぐもぐと飲むような。

最期は子犬ちゃんの手の中で、レティと嘴を合わせ、別れの挨拶をしてから逝ったという。連絡を受け、ぶっちぎって帰って来て見た朱華は、嘴もアイリングも真っ赤。最期まで、いつも通りの美鳥のまんまだった。




・・・・・。花布団から出して抱いていたら、レティに怒られた。「それはもう朱華じゃない!」って。「ただの、変な物体だ!」と避けられたのだ。・・・確かに。確かにもう、朱華はここにはいないのだ。

・・・遅いから“後悔”というのだと、ぼんやり考える。例え未来が分からずとも、現在を十全に生きられる動物というのは、すごいなぁとレティを見て思う。また、この感傷が人間だけの特権ならば、味わい尽くしたいとも感じる。

いずれにしても、もう朱華はいない。

診療費

項目 内訳 小計
再診料 1,000×1 ¥1,000-
糞便検査料 500×1 ¥500-
投薬料 210×7 ¥1,470-
合計   ¥2,970-