2x2...人と文鳥の小さな群れ

シルバ@blanccasseのための備忘録

バイキンマン到来で、レティ様完全復活

朱華がいなくなって一週間。ほんの少しずつの変化はあれど、相変わらず身も世もない様子のレティ。

あちこちのblogやHPで、“新しく迎えた文鳥と相性が合うかどうかは謎”とか、かと思えば“連れ合いを亡くしても、数日で復活し、新たなパートナー探しを始める”とか、色んな知識だけを詰め込み過ぎていて、でも実際のところレティはどうなるのか、この決断が正しいのか、吉か凶か、不安は常に何処かにあった。なのに、問答無用で行動したのが何故なのか、その理由は自分でも分からない。

ただひたすら、状況打開を願っていただけ。レティを助ける方法が、他に思い浮かばなかっただけ。こんな状況で博打に出る私は、もし今回勝てたとしても、博打打ちの才能は皆無に違いない(苦笑)。

直面する不安@12/17

連日連夜、レティを寝かせるのに苦心惨憺し、疲労の溜まった身体に鞭打って、無理矢理早朝に起床する。我が家では“悪魔のベット”と呼び習わされるTEMPUR。二度寝の誘惑に打ち勝つには、強固な意志の力が必要とされる。が。この日だけは別。雛を、お迎えに行くのだ!

お迎えするなら弥富産の桜文鳥と決めていた。以前からそう思ってはいたが、今となってはレティの好みが“一に自分”だというのが決め手である。出来得ればレティにそっくりな、せめて朱華の桜暈かし程度の、そんな文鳥・・・どこかにいるだろうか。

しかし、あちこちネット検索してみたものの、いわゆる“町の小鳥屋さん”というものはどんどん廃れているようで、犬猫以外の生体は、置いているのかさえ定かでないペットショップがほとんど。また、はっきり弥富産を謳っている店となると、尚更、中々見付からず、結局、都内北部のとある場所で購入することにした。しかも、その店の仕入れ日と開店時間を確認した結果、壮絶な通勤ラッシュに潰されつつ、思いっ切り平日の開店時間と同時に*1。。。自宅作業予定日の子犬ちゃんはともかく、シルバは無断遅刻断行。辞める決意を固めた私に、怖いものなんてないのだ。







お迎え当日の雛
寒中ようやく辿り着いた店には、様々な鳥と雛、そして文鳥たちがいた。白雛もシルバー雛もクリーム(?)雛も中雛も成鳥もいた。たくさんの、色も齢も異なる文鳥たち。しかし、そのうち桜雛は二羽。マス箱を覗かせて貰い、初めて雛団子を見た瞬間、衝撃を受けた。・・・小さい・・(愕然)。

鳥種別、大きさ別にマス箱区画に入れられた雛たち。隣りの区画の中雛たちは、開けられた途端、我先にと飛び上がって来るが、比べて入荷したての雛たちは、羽根も生え揃っておらず、もぞもぞ動く団子に過ぎない。いや、当たり前のことなのだが。。。買う予定の無い時は、気にもせず、無責任に「可愛いねぇ♪」なんぞと話していた雛。知識としては勿論見知っていたし、自家繁殖をされている方々が引き継ぐ時よりは羽根の開いた雛。だが・・・本当に育てられるのか、急に不安が押し寄せる。まして、どちらの雛が良いのかなんて、皆目見当が付かない。

小さすぎて顔も目のぱっちりさも同じくらいに見えるし、真っ黒具合も大きさも変わらない。“小さい!(滝汗)”という衝撃のせいもあってか、正直違いが分からない。選びかねる私に子犬ちゃんが救いの手を伸べ、キッ!とこちらを一瞥して自力で団子へ這い戻った雛に決定。購入書類に署名し、注意事項等の書かれたプリントと一緒に、雛入り紙箱を受け取る。通院用バッグに入れて・・・子犬ちゃんに連れ帰って貰った。シルバ、残念ながらタイムリミット。会社には行ったものの、心配で心配で、一日中仕事どころではなかった。

しかし、子犬ちゃんの報告メールによると、家での最初の挿し餌こそ、あまり食べなかったものの、その後はよく食べ、食後体重も17.5gあったらしい。また、レティは雛の姿を見た途端、驚喜し、それまでとは態度を一変させたとのこと。お迎え前には想像も出来なかった事態。

人間共としては、雛がバイキンマンである可能性を鑑み、レティとの接触は当然禁止するつもりであった。が、何分1Kの狭い部屋のこと。声も届けず姿も見せずというような完全隔離は不可能。同時に、ただでさえ食欲不振でボロボロのレティが、人間共の態度を雛優先と受け止め、更に憔悴してゆく可能性を考えると、こそこそ挿し餌するのもまた不安。悩んだ末、雛に挿し餌を与える前に放鳥し、レティ優先で構った後、挿し餌する姿は見せつつも、接触は人間が阻もうということになった。なっていた。が。

予想外の喜びようで雛を迎えたレティは、普段あんなに慎重派の癖に、全く警戒する様子もなく雛に近寄り、鋭い突きを一発頭に喰らわせて挨拶したらしい。。。そういえば、朱華のこともよく怒付いていたが、あれは挨拶だったのか・・・知らなかったよ(とほほ)。雛も雛で、怒付かれても怒る様子もなく、“ヒィ・・ヒィ・・・”と細い声を上げて歓迎していたそうな。。。文鳥界のしきたりとは、誠に謎である(溜め息)。

この日。夜打合せで外出予定の子犬ちゃんに代わり、挿し餌をするために素っ飛んで帰宅した私にも、レティの変化は如実に感じ取れた。ドアを開ける音がしても、レティが泣き叫ばないのだ!(驚)部屋に入ると、なんと、お気に入りのT字止まり木@ヒヨコ電球上で、まったりむっくら夜寝をしているではないか!!(唖然)こんな姿、一体何日振りのことだろう。。。目を疑うと同時に、泣ける程嬉しかった。

命名@12/18


ピンボケの麹塵
前日、子犬ちゃんに予約してもらった雛のお迎え健診。夕方の時間しか取れなかったため、連れて行くのは、この日も自宅作業の子犬ちゃん。シルバの仕事は、それまでに雛に命名すること。

毎回、和色から名付けているシルバ。前夜もいくつか候補を挙げていたのだが、どうもピンと来ない。仕事そっちのけで、朝から日本の伝統色 和色大辞典と睨めっこである。

朱華の時はピンク系から選んだが、今回の真っ黒黒助は、なんだか緑系な気がする。緑みどり緑みどり・・・行ったり来たり、何度もスクロールを繰り返し、良さそうな色名をgoogle検索して詳細を調べ、候補を挙げたメールで子犬ちゃんと相談し・・・結果、“麹塵(きくじん)”に決定。



麹塵(きくじん)とは、天皇のみが着用できた渋い緑色のこと。青白橡、山鳩色とも言う。

麹塵の本来の由来はコウジカビの緑の菌糸のことで、柳の若葉を「麹塵の糸」と呼んだ例が白氏文集に見られる。延喜式青白橡の染め方を見る限り刈安の黄色に紫草の青紫をかけて表すらしく、かなり渋い緑色に仕上がる。紫の染め方自体がかなり手間のかかるもので、かなり難易度が高い染め方であったらしい。

フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』より

脳裏に姿を思い浮かべつつ“麹塵”と呟いてみる。・・・ぴったり・・な気がする。後は健診さえ無事に済めば良かったのだが・・・そうは問屋が卸さなかった。

懸案のお迎え健診@12/18

朝から絶好調。一夜にして完全復活を遂げたレティ様。食欲も戻り、生気を取り戻したのは良いのだが、麹塵が気になって気になって仕方ないらしく、今度は麹塵に呼び掛けるようになった。

もしかしたら、麹塵の居るのが朱華を入れていた小プラケース@重傷病時看護ケースで、しかもお休みカバーを掛けっぱなしだったために、生きているのか常に心配だったのかもしれないし、単に、愚かな人間と違って意思の疎通が出来る相手が出来て、積日の鬱憤が噴出したのかもしれない。分からない。しかし、理由はどうであれ、四六時中見えない相手に話し掛け、目覚めた麹塵が返答しようものなら、足踏みして喜ぶのだ。また麹塵も麹塵で、お腹が空いて目覚めると、人間でなく、レティに向かってそれを訴える。

僅か一夜にしてレティ様への弟子入り決定。どうやら懸念は懸念に過ぎず、杞憂に終わったようで、本当に本当に良かった(涙)。ようやく明るい兆しが見えたようで、前途安泰・・・とまでは行かなかった(あーうー)。

夕方。健診を終えた子犬ちゃんからのメールを見て、青ざめた。診察時体重15.5g*2。栄養不良でガリガリの上、未消化糞からはコクシジウムが検出されたのである。・・・うぉぉぉ・・やっぱりバイキンマン確定かぁぁ!(がうがう)

この時まで麹塵に与えていたのは、粟玉+スペシャルパウダー+青菜という伝統食にRoudybushのオリジナルフォーミラーを2割程度加えたもの。元気な雛なら十分な食餌。しかし、巣上げ→問屋→店→我が家と環境が激変し、ストレスに弱ったコクシジウム持ちの雛には、少し物足りない内容だったようだ。前日よりも体重が落ちている。。。何が何でも栄養を摂らせ、コクシジウムに負けない速度で身体を作り、大事な栄養を横取りしている憎い奴を追い出さなければならない。麹塵とコクシジウムとの勝負、開始!

医師によると、文鳥の場合、パウダーフードだけでは強すぎる懸念があるらしい。なので、伝統食+パウダーフードという選択は良いものの、今回の場合は栄養強化策を取らねばならないため、粟玉とオリジナルフォーミュラーを1:1の割合まで上げ、更に吸収を良くするため粟玉は粉状に、また、パウダーフードは熱湯が禁物とされているため、60度以下のお湯を用いてホットケーキミックスより少し柔らかい程度に合わせ、湯煎で温度保持するよう指示された。そこに入れる薬は2種。駆虫剤+抗生物質の液体薬と整腸剤である。

・・・でーーーもーーーーー。

怖い。粟玉と合わせる場合、1:1まで上げてしまって食滞を起こした事例があるのだ(と言っても、ネットでの知識に過ぎないが)。怖い。非常に怖い。実際には、単純な比率の問題ではなく、メーカーによる違いがあるのかもしれないし、作る時の温度や水分量の問題かもしれないが、それでも怖さは薄れない。別に熱湯を使わないのは良い。熱湯消毒代わりには出来なくなるが、粉末にするのだし、熱湯を捨てる際に流してしまう栄養素も漏れなく取り込める。挿し餌だから薬入りにするのも問答無用でお茶の子さいさいだ。でもでも、同量には・・・無理。出来ない。臆病になっている私には怖すぎる。

しかし、慌てて会社で調べた自家繁殖雛の体重と比較すると、麹塵が目を疑う程に小さいのも事実だった。

店側の推定誕生日は11/28。それが本当なら生後21日。文鳥団地の生活さんの『文鳥の飼い方育て方』ーヒナ編ー にある、ヒナの成長度のめやす “成長の個体差”を穴の開く程眺めてみたが・・・残念ながら、羽根の開き具合から推測すると、ほぼ合っているとしか思えない。なのに、麹塵の体重は恐ろしく少ない。

またしてもポカをしでかした私は、店で体重を量って貰わず、事前に調べてもおかず、“雛だから”と思い過ごしていたのである。。。病院での医師の第一声が「うわぁ・・・ちっちゃい・・・・・。」だったというのも頷ける話。早急になんとかしなければならないとは、強く思う。だがしかしかし。。。

結局、討論の末、子犬ちゃんを拝み倒して2:1で合意。この日の最終食後体重は18.5g。まだまだ自家繁殖雛の巣上げ時体重にも遠く及ばない。

更に問題発覚。最強アイテム“育て親”ではどろどろ液が上手く吸い上げられず、四苦八苦したのである。こんな事態は予測していなかったため、1mlシリンジの用意も無く、ストローの先端を丸くU字型にカットしてヘラ状に仕立て、代用。麹塵に、ものすごーーーく嫌がられた。。。

※12/22追記 鳥医療は未だ発展途上段階なので、医師により様々な意見、方針があり、それが相反する場合もある。また私には、医師が飼い主側の経験上の知識を肯定するにしろ反証するにしろ、どういう訳か中々すんなりとは行っていないように見えている。現状、様々な意見が渦巻いている中で、何を信じ何を選択するかは、飼い主個人が責を負うべき問題だと思うし、ここに記載されているのは、あくまで一個人の主観で選択されたものなので、このblogを鵜呑みにすることだけは止めて頂きたい。

三つ子の魂百までも?

なんとなく。麹塵は、朱華と違い、とても文鳥らしい文鳥のような気がする。この二日で既にそう思う。

こんなにチビ助で、まだへちゃむくれの癖に、はっきりきっぱり意思表示をするし、そういえばお迎え時の“キッ!”と睨んだあれは、“寒いし眩しいし覗くんじゃねぇ!(怒)”ということだったのかもしれない(汗)。

でも、レティが元気になってくれたから。申し訳ないが、麹塵にとっては、初雛の我が家は手際が悪くて良い家ではないかもしれないし、こんなに早くお迎えすることには非難囂々かもしれないが、私はレティが気に入ってくれて、レティに懐いてくれて、それでとても幸せなのだ。

無くして初めて分かるもの。やはり、元気で、みんな一緒が一番いい。

診療費

項目 内訳 小計
初診料 2,000×1 ¥2,000-
そのう・糞便検査料 1,000×1 ¥1,000-
投薬料 1,250×2 ¥2,500-
合計   ¥5,500-

*1:店内感染のリスクを減らすために、なるべく店にいる期間の少ない子を選びたかったのである。

*2:挿し餌二時間後の体重。