2x2...人と文鳥の小さな群れ

シルバ@blanccasseのための備忘録

朱華、ごめん!@卵管脱


また羽根を曲げてしまった朱華
目の端で、朱華の異常を感じた。身体を上下に動かして、まるでチョスの切れが悪いかのように、お尻を振っている。・・・異常を異常と捉えるのに、五秒ほど。「ここ暫くデカチョスなどしていないのに、それはおかしい!」はっきり認識して、ケージを覗き込んだ時点で、既に朱華のお尻は血に染まっていた(驚愕)。

とりあえず、事態を確認。どうも総排泄腔から卵管か腸がはみ出している。その周辺はかなり腫れ上がり、羽根が血に濡れたせいで、丸出しのように見える。私には、くらくらする程の出血に見えるが、まだ当鳥に貧血の症状は出ていない。嘴もアイリングも赤く艶々していて、食欲もあるし、水も飲んでいる。もっとも、最後にきちんと確認してから、まだ三十分〜一時間程しか経っていないし、これからかもしれない。分からない。ただ、どうにも違和感を感じるらしく、頻りに傷口を突いてしまう。駄目だと言っても聞かない。

いつもの病院へ電話するも、診療の挾間の休み時間とあって誰も出ない。事情を留守電に入れ、折り返し連絡を請う。同時に子犬ちゃんへもメール。

とりあえず保温。はみ出したものを押し込まなければならないのは重々承知だが、やる自信なんて無い。どのようにするのか、一度も、見たことすらないのである。せめて連絡が来るまで傷口を弄らないよう、何か手立てを講じなければ。

焦る気持ちを落ち着けて、エリザベス・カラーを作ろうとして・・いる時に、病院から連絡有り。時間外診療をお願いし、大至急連れて行くことに。レティが騒ぐのは無視。有無を言わさず、移動用キャリーに放り込んで家を出る。

診察、そして入院。

「卵管脱ですね。」

やっぱりか・・・医師の言葉に力が抜ける。どうしてこんなことになったのか。いつからなのか。頭の中で情報を検索するも、答は出ない。

卵管脱
発情状態下において、長時間力むことにより、肥大した卵管が総排泄腔から飛び出してしまう症状。早期発見、早期治療が重要で、鳥が気にして突くことにより出血し、傷口が壊死することもある。また、乾燥してしまった場合、元に戻せなくなることもある。慢性的な発情状態、頻繁な産卵などが原因となりやすい。

「一刻を争って治療する必要がある。」とのことで、治療しつつ応答。傷口を消毒、消炎剤と抗生物質入りのジェルを塗った上で、消毒薬に浸けた綿棒で卵管を押し込み、再度突出しないよう暫く押さえながら。


お尻に血が(朱華)

くらくらする程の出血(朱華)

どうしても気にして突いてしまう(朱華)
「どのくらい出血しましたか?」
朱華の出血は滴るほどではなかったが、もしかすると、気にして弄っていたので落ちなかっただけかもしれない。分からない。

だが、「出血は、勿論、身体の小さな文鳥にとっては一大事ですが、それよりも問題なのが糞尿が出ないことです。」と聞かされる。「本来排出されるべき毒素が体内に回ることで腎不全を引き起こし、早い場合には一〜二日で、あっという間に命を落とすこともある。」というのだ!

そういえば。今朝の放鳥時、チョスを拭いた記憶がいつもより少ない。病院へ連れてくる間も、着いてからも、まだ一度もチョスをしていない。いつもなら、緊張感から水分過多のチョスを沢山するのに。。。ちなみに。病院へ着いた段階で、朱華の体重は28.5g。今朝、量った時には27gだったのに!「体内に卵はないので、もしかしたら体重の増加も、糞が出ていないことによるのかもしれない。」とのこと。顔面蒼白。

幾ら小鳥の症状が急激に現れると云っても、数時間で急変する訳がない。昨日か一昨日か、何日か前から具合が悪かったに違いないのである。そういえば昨日は、最近ブームの足下探索中、朱華だけは腰を下ろして休んでいたような。。。気付けなかった自分に嫌気が差す。

別居がレティより朱華のストレスになっていること。そのために羽根を曲げる悪癖が再び出ていること。放鳥時に外に出る度、尻尾を振っており、レティの体重減少に反比例するように、朱華の体重が増えていること等、報告する。体力のない朱華にとって、立て続けての産卵は危険だと思っていたのに。不幸にして予想が的中してしまったようだ。。。

「かなりお腹が腫れて炎症を起こしていますので、点滴代わりの注射をします。」
基材に消炎剤、抗生物質、ビタミン、排尿(糞)を促す薬等々加えた特製ブレンド薬剤を用意。「体温を下げるといけない。」とのことで、ブレンド薬が若干暖まるまで待つ。保温ヒーター(カーペット?)の上で、ぐったり目を閉じている朱華。つい先日来た時には、このヒーターが暑いと文句を言っていたのに、今は全身膨らませて震えている。

卵管脱治療は、まず。卵管脱が起きる度に中に押し込み、きちんと排糞出来るかを含め様子を見ることが第一。入院させるか、自分で尽きっきりで面倒を見るか。どちらにしても、排糞出来ないようなら、即入院。どうしても何度やっても再度突出してしまうようなら、具合を見ながら総排泄腔を一針程度縫う手術が必要。大概の場合、三日程度で抜糸可能。来シーズンの繁殖(産卵)には影響がないものの、抜糸前に更に発情してしまうと大問題(そりゃそうだ)。どちらにするか・・・と言う合間に、朱華がチョスを!

かなり尿部分の少ない、大きめのチョス。どうも、かなり溜まっていたらしい。しかも、また卵管が出てしまう。。。すっかり入院させる気になっている私。というか。連れてくる時から、それは覚悟の上のことだったのだが。

再び卵管を押し込み、手当をした後、暖めた特製ブレンド薬剤を背中に皮下注射。始めて見たよ。。。医師っていうのは、すごい。よくあんな、骨と皮ばかりの生き物に、きちんと注射出来るものである(感心)。当鳥も、保定されたことは悔しいものの、爪切りより余程気にならないらしい。チョスも出たせいか、解放された時には、先程よりずっと楽になったように見える。

医師に入院治療をお願いし、説明を聞いて同意書に署名。状態に応じて追加の点滴注射をしたり、強制給餌に至る場合があること。レントゲンや酸素吸入などの処置を必要とする場合があること。最善の努力をしても急変する可能性のあること。特に、二十四時間態勢ではないため、夜間の急変には対応し切れない可能性があること。面会時間や食餌について・・等々。

「そんなことにはならないように努力しますが、万が一・・・。」との言葉に、つい苦笑してしまう。医師の下で急変し、助からない命なら、連れて帰って私に助けられる訳もない。私にとって“信頼して任せる”というのは、譬えどうなったとしても受け入れる覚悟で命を預けるということ。今の私に出来るのは、ただ、祈ることくらいだ(苦笑)。

医師に頭を下げ、朱華を置いて診察室を出る。朱華。。。騒ぎもせずに、疲れた顔でじっとしていた。

帰宅後のレティ

帰った当初は、私が意地悪をして、朱華を出さないのだと思っていたらしい。しかし、移動用キャリーが片付けられたのに、呼んでも返事が無く。

次に、部屋着に着替えた私の何処かに開いているはずの、夢の巣穴に匿っているのだと。しかし、どう探索しても穴は見つからず、やはり返事は無い。

ようやく様子がおかしいと気付いたレティ。うろうろした挙げ句、膝の上に仁王立ちになって、顔を見上げて問いかける。

首を傾げて見詰めるレティに。医師の顔と、苦しそうだった朱華の様子、お尻の具合、注射された時のこと・・・こちらも見詰め返しながら、二重写しのように、レティの上にイメージを描きながら、ゆっくり順々に語って聞かせる。

この世にはアニマル・コミュニケーターと呼ばれる人が居て。動物とイメージ交換による会話が出来るらしいが、物凄く憧れていても、残念ながら私には、そんな能力は無いので。。。レティに理解出来たとは思わない。でも。何か感じるものはあったようだ。私の沈鬱な雰囲気を感じ取るだけでも。

現在は、独り大人しく昼寝中。

レッちゃんも、しゅーが早く良くなって、無事にお家へ帰れるように、一緒にお祈りしような?

その後の朱華


足の上で見詰めていた朱華
病院へ問い合わせ、兼明日の見舞い予約。

その後、卵管脱は起こしていない模様。だが、チョスは二つだけで、それきりここ数時間、また出ないらしい・・・怪しい。

食餌もしているし、水も飲んでいるとのことなので、以前薬水生活をさせた時のような、絶飲食という心配は無さそうであるが、本当に消化しているかは検査待ち。

いずれにせよ、もう暫く様子を見てから手術を検討することになる。

朱華ぁ・・・がんばれ。きっときっと、大丈夫だから、生きろ!(祈)

診療費

項目 内訳 小計
再診料 1,000×1 ¥1,000-
時間外診察料 1,000×1 ¥1,000-
処置料 2,500×1 ¥2,500-
合計   ¥4,500-