2x2...人と文鳥の小さな群れ

シルバ@blanccasseのための備忘録

対スト大作戦

一月最終の土曜日。その日は朝から子犬ちゃんは仕事で不在。週末位は文鳥たちの相手をしてやらねばと、毎週思っている癖に、疲れ切っていた私は、籠掃除をようよう済ませると倒れ込むように昼寝してしまっていた。当然、目覚めた頃には、朝の記憶は無い。そのまま、何をする気にもなれず、ぼーっとネットを巡ったり、TVを見たりしつつ過ごしていた。

文鳥たちは、一月からの生活サイクルの変化に大変お怒り中で。この頃既に、抱卵中ということも相俟って、放鳥してもほとんど出て来ず、人間共にもあまり近寄らず、手を避けて逃げ回り、声を掛けても聞こえない振りをする有り様となっていた。出せ出せコールもしないのだ。完全に怒り心頭。完璧に拗ねモード。見せしめのための対人間ストライキに突入していたのである(やれやれ)。

正直。文鳥たちを迎えた頃にこの状況であったなら、私も子犬ちゃんも引き受けること自体を躊躇っていただろう。こんな生活、真っ当な手乗り文鳥ならば抗議してしかるべきものだからだ。でも、そんなことを言っても、今更後の祭り。一度群れとして生きて行くことを決意した以上、現状打破の責任は、全てリーダーにある。・・・なんとかせねば。少なくとも、多少なりとも改善策を示さねば(汗)。

身体の疲れはピークでも、段々と仕事のリズムに慣れてきた私は、ようやくそう決意。その日の夜放鳥では、例え文鳥たちが出て来なくても出入り口を開けておき、関係改善の意思があることを示そうと考えた。そして、ひたすら待ったのである。。。

まずは朱華が、胡乱そうな目付きで、待ってて君の上まで出て来た。いつもなら、そこまで。二、三度ケージ内との往復をした後、夜食を食べて寝る体勢に入るのだが、それを見過ごしていては意味が無い。

「おやー?美人さんがいると思ったら、しゅーちゃんかー?しゅーちゃん出て来たのー?いやぁ、相変わらず美人さんだねぇ!可愛いねぇ!ちょっと、そこの美人さん、こっちおいでよー!」・・・シルバ、ホストになれそうなチャラい科白である(汗)。自分が言われる側だったら、寒気がしそうな(鳥肌)。しかし、ペットというものは、須く褒められることも注目されることも大好きな存在なのである。今まで放置されて(いると当人が思って)いれば、尚更(苦笑)。

すると朱華も。あれ程頑なにスト決行していたのに、人間脇のベットの上に舞い降りて来るではないか!ここぞとばかりに褒めそやすシルバ。差し出された掌にちょこんと乗って、小首を傾げつつ賛辞を受け取る朱華。可愛い奴だなー、もぉ(笑)。

だがしかし。面白くない奴が一名。レティである。

共闘協定違反をした挙げ句、自分一人、褒められ可愛がられるなんて!到底許せるものではないらしい(苦笑)。巣の中に引き籠もっていたのが、首が伸び、巣の縁に飛び上がり、下段止まり木に舞い降り、待ってて君の上で抗議を始め・・・遂についには、レティもやって来たのである!(朱華は追い払われましたがっ・汗)

勿論、レティにも浴びせるように賛辞を。曰く、「やぁ!何処の可愛い子が来たのかと思ったら、レッちゃんだったのかー!可愛いねぇ。何処にもこんなに可愛い子はいないもんねぇ。やっぱりレッちゃんは可愛いねぇー!」などなどなど。来た時には、ちょっとむくれ顔だったのが、段々満更でもない表情になるレティ(笑)。

人間相手であれば、ピュアな美少女を騙す悪人のような歯の浮く科白。一抹の疚しさはあるものの、たぶん、親馬鹿全開のシルバが、結構本気で我が家の文鳥たちが一番可愛いと思っているが故に、当鳥たちも何の疑いもなく、素直に受け入れてくれているのかも(汗)。

代わる代わる褒めそやす内に、終いには久々に二羽で抱っこをせがむまでになり。この日は本当に、安堵したものだった。ようやく、これで肩の荷が下りたと。。。明くる朝、子犬ちゃんの声を聞くまでは(汗)。