2x2...人と文鳥の小さな群れ

シルバ@blanccasseのための備忘録

悪戦苦闘の挿し餌対決

でろでろ挿し餌に悪戦苦闘@12/19


ほとほと嫌顔の麹塵
朝の挿し餌から、麹塵の喰いが悪い。0.5g*1。鳴いていたはずなのに“ぺっぺっぺっ”と吐き出すばかりであまり飲み込まず、口を開かなくなってしまった。昨夜は1〜1.5g食べたのにどうしたことか。。。それでもまぁ、朝一は喰いが悪いらしいし、レティと同じく朝に弱いタイプ*2なのかも・・・と思い、二回目は早めに与えることにする。時間は掛かったが、今度はようやく1.5g。やれやれと安心したところで、午後から外作業の子犬ちゃんが居る間に、ハンズへと買い出しに出掛けた。

さすが東急ハンズ。開店間もない店内は、まだ閑散としているが、理化学器具売り場にはml数の異なるシリンジがずらり。元々こういった器具が無意味に好きな私。全く必要としないものまで、あれこれ手に取りうっかり買いそうになる。いかん。抑えねば。。。(汗)

でも、見ていると、でろでろ挿し餌に重宝しそうなものも結構あるのだ。半透明のポリスポイトも雛の口径に合いそうだし、ピペット用の赤いゴム帽は、そのまま育て親に被せて使えそう。勿論、1mlシリンジは絶対に“買い”だし、ステンレスの薬匙は、柄の先端がストローより流し込み易そうな上、粉ものを取り出した後で青菜を掬うのに一石二鳥。あーーうーーー・・・全部欲しい。後で何が役立つか分からないし・・・この際、全部買っちゃえ!ついでに調理用温度計*3も買っちゃえ!買っちゃえ!!あーははー!シルバ、ちょっと壊れ気味&ダッシュで帰宅(汗)。


特製1mlシリンジ@挿し餌用
家に戻ると、品物を検分した子犬ちゃんが三本買った1mlシリンジを加工し、でろでろ挿し餌用シリンジを作ってくれた。

粉末粟玉伝統食+オリジナルフォーミュラーという挿し餌は、あくまで“でろでろ”であって“液体”ではない*4ため、シリンジの押し出し口そのままでは吸い上げ難く押し出し辛い。丁度良い具合に、本体部分の口径は雛の口にぴったりな太さ。先端部分をカットして押し出し易くし、本体を1cm程度カットして雛の喉を突かないようストッパーとすれば、素敵な“でろでろ挿し餌用シリンジ”完成である。・・・もっとも、シリンジは育て親より熱に弱いらしく、後に使用不可能となってしまったのだが*5

さて。問題の挿し餌はというと。。。

これもレティ同様、“午前中は起きている時間、午後は昼寝の時間”と雛の癖にいつの間にか勝手に決めていたらしい麹塵。何やらレティと“ピャッピャッ”“ピッピッ”と会話していると思ったら、挿し餌の不味さを訴えていたらしい。

例えば。。。

麹塵「レッちゃんレッちゃん!酷いよ酷いよ!なんか変なねちょねちょの食べさせられたよ!」
レティ「えー!?“美味しい*6”じゃないの?!」
麹塵「違うよ!なんか、ものすごーく不味くて、しかもねちょねちょでべたべたで、すごーく口が気持ち悪いの!(泣)」
レティ「げげげっ!マジでーーー?!(滝汗)・・・実は・・あそこへ行った後は、腐った水を飲ませたりするんだよ・・・最低だなっ!!(憤慨)」
麹塵「腐った水!!ひょえぇーーー!やだやだやだっ!!レッちゃんが“美味しい”くれたらいいじゃーーーんっ!!レッちゃん、“美味しい”ちょうだいよーーー!!(泣)」

・・・・・とか(溜め息)。

ちょっとシルバが舐めてみたところ、薬入りとは云え、味も単なる焼く前のホットケーキミックスで、そんなに嫌がる程不味いようには思えなかった。ねちょねちょにちゃにちゃは・・・まぁ、私も嫌かな、とは思うが(汗)。

でも麹塵は全く気に入らないらしい。元々の、粉末にしていなかった頃の挿し餌は良く食べ、そのうも一杯にしていたのに、でろでろ挿し餌は、ほんの一口二口で止めてしまう。頭を振り、ぺっぺっと口に残った挿し餌を吐き出し、何度も舌で嘴を舐め、さもさも嫌そうな顔。そして目を閉じ、寝たふり見えないふり。。。親鳥よりも短時間で効率的に与えられるはずの挿し餌。騙し騙し食べさせるのに30分も費やしている。しかもそれで食べる量はと云えば、多くても1.5gに過ぎないのだ。

♪どーしよっ、Oh!どーしよっ、Oh!パッケラマーオパッケラマーオパオパオンッパッパ!Oh!パッケラマーオパッケラマーオパオパオパ!♪・・・困ったマーチが脳内を駆け巡る程に困ってしまった。


久々に遊ぶ気になったレティ
しかも。相変わらずどころか、麹塵はカバーを外すと益々レティに向かって餌をねだるし、レティはレティで、麹塵の声で本能のスイッチでも入ったのか、ケージ内で大騒ぎした挙げ句、うぐうぐと吐き戻しをしそうな素振りまで見せる。バイキンマンだと云うのに!!勿論、そんなことはさせられない。

が。なんとか食べさせようと、今まで以上に温度に気を遣ったり、パウダーフードと粉末粟玉食を分けてみたり、少し水分を多めにしてみたり、間隔を狭めてみたり・・散々手を尽くすも、この日は結局、19:30を最後に全く食べなくなり、そのまま就寝。朝一挿し餌前体重16.0g、最終挿し餌後体重19.0g。この日、初めてよろぼいつつも立ち上がった麹塵。明日への不安を強烈に残してくれた。

緊急通院@12/20


いつの間にか立てるように(麹塵)
朝。食前体重を量って血の気が引く。15.0g。やばい。やばすぎる。しかも、またしても朝一の挿し餌の喰いが悪く、0.5gしか増えない。もう、人間共は真っ青である。

食が細く量が喰えないなら、せめて回数を増やそうと約二時間置きに挿し餌決行。ところが、なんとか1〜1.5g食べさせても、次の挿し餌時には体重が戻ってしまい、少しそのうに残っている状態で、13:30の挿し餌前体重測定になっても15.5gだったのだ。

昨日初めて立ったというのに、今日はもう、よろけつつ頭を掻く仕草を見せた麹塵。まさかとは思うが、そのう炎でも併発したのか、いくら拭いてやっても次の挿し餌時には鼻の穴の周りがガビガビ。どんどん元気も無くなり、嫌がる素振りも力無い。外出予定のあった子犬ちゃんが居なくなった後、残された部屋で、不安に押し潰されそうになる。

朱華のことが脳裏から離れない。それはずっとそうなのだけれど、この時は殊更、朱華のことばかりが思い出される。もしこのまま・・・と悪い想像が過ぎると、レティの今後も真っ暗に思えて来る。

15:30。挿し餌前体重16.5g、挿し餌後体重17.0g。

兄弟のいる雛は競って食べるとの話を思い出し、YouTubeで検索した文鳥雛の餌付け動画をエンドレスで流しつつ挿し餌する。だが、食べない。挿し餌温度だけでなく、時間が掛かる間に室温で身体が冷えるのかとも思い、電気毛布にくるんで与えてみる。が、食べない。ほとんど口を開こうとしない。

16:30。焦燥に混乱した頭で病院へ電話してしまう。が、この日は休診日。無茶だと分かっていながら、留守番電話にメッセージを残す。どうすれば良いのか他の病院でも行くべきなのか、そんなことさえ判断出来なくなっていたのだ。

18:00。挿し餌前体重16.5g、挿し餌後体重17.0g。

もう、私は限界だった。そのうには勿論、ほとんど餌は残っていない。なのに最初から口を開かない。何度か促し、終いにはそっとパッキンを押し開け、ようやく食べさせたのが0.5g。

18:45。当たり前だが病院からの連絡は無い。本当にこのままでは駄目だと思った。後悔する位なら、セカンド・オピニオンとして予てより候補に上げてあった病院へ、電話だけでもしてみようとようやく決断する。掛かり付けでは無く、初めての病院。しかも時間外診療確実。無茶苦茶な依頼だ。断られて当然だと思いながらの電話だった。取り乱しながらの状況説明だった。なのに、受けて下さった。。。(深謝)

慌てて素っ飛んで行った病院は、診療時間も終わり静まり返っていた。焦っていた私は、靴も脱がずに踏み込もうとして諫められるような有り様。麹塵の入ったバッグを渡し、気を落ち着けつつ質問事項の書かれた紙を埋めてゆく。そして、診察。

「まず、病院により、診療方針が違うことをご理解ください。」そう言って医師の診断は始まった。

「掛かり付けの病院では未消化糞だったとのことですが、現在はよく消化されているようです。また、そのうも綺麗で炎症を起こしている様子はありません。

話の途中でちょっとすみませんが、可哀想なので、このタグ*7取っていいですか?(確認しつつ、素早くタグを切り外す。)

とにかく小さく、確かに元気も無いので、コクシジウムの治療も大切ですが、まず食べさせることが第一です。鼻の周り・・?いえ、炎症ではないので、挿し餌が逆流したのかもしれません。脱水症状ですか?ありません。

今後ですが、ご心配のようですし、入院させて病院で確実に大きくしてからお返しする方法もあります。または、飼い主さんが夜中、何時であろうと起きて挿し餌をする覚悟で食べさせるかです。どうされますか?」と医師。

悩む・・・ここで連れ帰って、朱華のように・・と思うと、気持ちが竦む。しかし・・・入院させるなら、すぐに見舞いに行ける掛かり付けの病院にしたい。初診で救急、しかも時間外診療をお願いしている身で誠に申し訳ないのだが。。。そう伝える。

「そうですか。0.5gでも食べているのですから、どんどん食べさせることが一番大切です。

先程も申し上げたように、病院によって方針が違います。徒に混乱させてしまったら申し訳ないのですが、粒の残るような未消化糞が出ていなければ、当院の見解では、粟玉を粉末にする必要性はありません。

それよりも、今はどんどん身体を作って行く大切な時期で、蛋白質が大量に必要なのです。本当は粟玉ではない方がいいような栄養状態だと思うので・・・オリジナルフォーミュラーをお使いのようですが、これだけ未発育の子ですし、もう少し高蛋白なものを使用された方が良いのではないでしょうか。

当院のお薦めですか?Kayteeです。はい。それでは、在庫がありますので処方しておきます。」

結局、私一人の決断力不足から、麹塵に通院負担を強いた上に、医師にも看護師にも突然の残業をさせただけだった。今すぐ死んでしまうのではないかというのは、己の作り出した妄想に過ぎず、為すべき努力を一つもしていなかっただけなのだ。

確かに方針は違う。でも、根本で言われたことは同じ。“栄養失調で未発育だから、とにかく食べさせろ”

すごすごと項垂れ、朱華のことを言い訳にした私を責めることも無く、黙って頷きながら退室を見送ってくれた医師は、「・・・・・・・・・それにしても、ちっちゃいなぁ・・・。」と最後に呟いていた。

時間外診療費を含め、支払いを済ませた私。母親を呼び出して送ってもらう帰宅途中、ずっと考えていた。これからどうすべきかを。

巻き返しの決意@12/20続き

通院でかなり時間を取ってしまったため、大急ぎで挿し餌の支度に入る。

新たに頂いたKayteeのexact Hand Feeding Formula For All Baby Birds。開けてチェックしてみると、Roudybushのオリジナルフォーミラーより粘らず、これなら考えていたことも上手く行きそうな気がした。きっぱりKayteeを選択。そして、二種の挿し餌を用意。

一つはKayteeを60度のお湯で溶き、駆虫剤+抗生物質の液体薬を加えたもの。
もう一つは、伝統食(粉末ではない、そのままの粟玉+スペシャルパウダー+青菜)に整腸剤を加えたもの。

これを伝統食:パウダーフード=2:1の割合で作り、最高でもその割合で別々に与えることにしたのだ。喰い付きによっては3:1でも4:1でもなんでも良い。とにかくパウダーフードは最低二口(2cm)食べさせれば良しとし、まずは食べること優先。それでも今までの食べっぷりとの比較であれば、十分同量の薬が摂れる。蛋白質も今までより摂れる。最初の目標は六口。無理矢理でもなんとしてでも、最低限それだけは食べさせる。出来ればもっと。

通院用バッグに入れていたホカロンの上にハンドタオルを乗せ、麹塵をくるむ。そして挿し餌。

いつも最初の一口だけは喰い付きが良いのでパウダーフード。続いて伝統食。うぐうぐ飲み込む・・・麹塵の目が変わった。現金な小僧は、「これは“美味しい”だ!」と判断したらしい。

しかし、既に挿し餌に不信感を持っている麹塵。それで止めておこうという素振りを見せる。甘い。そっとパッキンを押し開け、三口目を差し込む。丁度育て親の先端1mmがパッキンで隠れる程度。健康な子なら自分で飲み込む程度の深さである。その位置で挿し餌を押し出すと、今度は少し嫌々をしたが、これも飲み込む。まだまだ。・・・・・最後は盛大に嫌々をし、辺り一面に粟粒を撒き散らしながらではあったものの、なんとか1.5g食べさせる。挿し餌後体重18.0g。

麹塵を戻すと同時に、どっと疲労感に襲われる。挿し餌の間中、“ギョッギョッギョッ!”と警戒音を上げていたレティは、まだケージ内で騒いでいる。隣りで眺めていた母親は、「なんだ。食べるんじゃないの。そうやって無理にでも食べさせられるんなら、寝かせるのも大事なんじゃないのー?」と呑気な声で言い置いて帰って行った。子犬ちゃんはまだ帰らない。覚悟は決めても、自分を奮い立たせるには努力が必要だった。

0:30。普通なら成鳥でも寝ているべき時間。不良飼い主を持つ我が家では、レティがまだ起きて呼び掛けていた。ところが、それに応える怪しげな声がする。麹塵が目覚めたのだ。様子を窺い、挿し餌を決める。またしても半ば無理矢理。プラケース内では口を開けて指先を迎えても、いざとなると開かないのだ。。。それでも挿し餌前体重17.0g、挿し餌後体重18.0g。深更にまで挿し餌をすべきかどうか迷うが、寝かせることにする。明日、生きて顔を見られますように。そんな気持ちだった。

診療費

項目 内訳 小計
初診料 1,200×1 ¥1,200-
時間外診察料 1,500×1 ¥1,500-
そのう・糞便検査料 500×1 ¥500-
Kaytee exact 960×1 ¥960-
消費税 外税5% ¥268-
合計   ¥4,368-

*1:食前食後体重の差。健診時の医師の薦めもあり、昨夜から成長具合を量るために記録中。

*2:鳥としては、かなり間違っている気がする。。。

*3:液体に突っ込んでも肉などに差しても内部温度が計れ、最高最低温度表示も可能な優れもの。

*4:うっかり写真撮影を失念したのだが、本当に“ゆるめのホットケーキミックス”。あれを想像して頂ければ間違いない。

*5:シリンジを使用して育てようとする場合、三日で二本を消費する覚悟で、大量購入しておいた方が無難だと思われる。

*6:我が家では餌のことを文鳥に示す時、“美味しい”というのだ。例えば「“美味しい”してらっしゃい?」とか。

*7:弥富産と記された紙製タグ。足に巻かれていたのだが、店で「自然に取れますから大丈夫ですよ。」と言われていたため、そのまま放置していたもの。